俺は地面を掘った|起業

 どれ位の時間、俺は地面を掘ったのだろう、時間の感覚がなくなった・ああ、やっと見えた。白いものが土の間に見える。細く短く、何本かの部品が集まって出来た人骨。たぶん久美子の手だろう、生きていた頃のしなやかな指先が目に浮かんでくる。

 やはりそうだった、久美子が生きている訳がない。天高く昇った太陽が、掘り終えたばかりの穴の中で、久美子の姿を明るく照らす。骨に付いていた泥をきれいに落とすと、まばゆいばかりの光を放つ。久美子はまるで、天に召されて行くようだ。空を見ると、名残惜しむかのように厚い雲がいくつも見え、隙間を縫って顔を出す太陽は滲んで見えていた。

 俺はどうして久美子を殺したのだろう。正当な理由などなかったのに。

「信吾。これで終わりだ」この声は瀬野? 意識が戻ったのか? どこにいる、どこにいるんだ。

「瀬野ー、お前どこにいるんだ、返事しろー」

「ここにいるよ、四人とも」四人とも? 何で四人なんだ? あっ、瀬野に浜田、それからふたりの女性。……なんで四人が集って立っているんだ? 残るひとり、久美子さんがいないじゃないか。

「信吾。お前は知らなかっただろうが、噂はずっとみんなの中に残っていたんだ」

「噂?」

「そう、お前が久美子さんを殺したんではないのかと。俺も疑っていた。だが、違うとも考える俺がいた。ある日、ふと気付いてんだ、久美子さんがいなくなる前までは、しょっちゅう大山に登ったと話していたのに、その後は大山に登ったという話を聞いてない」

なぜ噂と結びついた

運営中のサイト紹介

 当方が運営しているサイトを紹介いたします。現在ネット上に18サイト位あります。もちろん全ての小説が普通に読めるレベルになったとは思っていませんが、こうやって過去を振り返りながら昔の小説を読むとちょっとセンチに成る私が居たりします。暇なときで結構ですので是非とも読んでやってくださいませ。

―――― END of This page.And Copyright-SuemoriTakumu-All Rights Reserved――――
サイト内の文章及び画像には全て著作権があります。許可無く複製・再配布する事は著作権法で禁じられています。

起業しようぜ、拓夢書房のロゴマーク