どこから聞こえた?|起業

 誰だ、今の声は? どこから聞こえた? ブレスレット? 久美子か? そうだ間違いない、久美子の声だ。……いや、聞こえた気がしただけで、直接、頭の中に訴えているんだ。

 そうだよ、殺した久美子が霊となって俺に訴えているんだ。……俺に恨みをもっていて、成仏できなかったんだろう。……ごめんよ、本当にごめん。いまさら誤ってすむ問題じゃないけど、いまの俺には謝るしかないんだ。

 ――ねぇ、信吾さん。顔が痛くてどうしようもないの。それに凍えそうなの。ここは寒いし、狭いし、暗いし。ねぁ、私を暖かくて、広くて、明るい場所に連れて行って――

  久美子、ごめん。もうどうしようもないんだ。お前は桜の木の下で眠っている、永遠に桜を見ながら眠るしかないんだ。

 ――ねぇ、このままだったら凍えてしまうのよ私。すぐに助けに来て――

 お前、まだ生きているのか? 桜の木の下で生きているというのか? 

 ……掘ろう、もう一度掘るんだ、久美子を埋めた穴を。そうすればお前は、まだ助かると訴えているんだな。分かったよ、すぐに掘るよ。おまえを助け出してやる。

 ……地面の下……

 寒いはずなのに、額から流れる汗が首筋を通ってシャツにしみこんでくる。いくら雪をかき分けようと、地面は見えてこない。雪だけですでに腰の辺りまで掘っただろう。見えた。やっと地面が見えた。久美子の姿が見えるには、あと、どれくらい掘ればいいんだろう。永遠に掘らないといけないのだろうか。

俺は地面を掘った

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